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競技ディベートの方法

1.論題(proposition)の種類
2.論題を立証/反証する
3.実際のディベートの形式(format)
4.各スピーチの役割

作成者:兼子



ディベートの定義と論証

1.ディベートの定義
2.ディベートの意義・目的
3.論証
3.1.論証の構造
3.2.論証の評価
3.3.面白い論証
3.4.論証を作ってみよう

例題の解答例

作成者:松村




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競技ディベートの方法 (兼子)の付録



付録1:


ここ10年でESS系ディベート大会等に使用された、日本ディベート協会(Japan Debate Association, JDA)の推薦論題一覧。

1990年度 日本政府は、日本の軍事的潜在力に貢献するようなプログラムを止めるべきである(仮訳)
1991年度 日本政府は、生医学研究およびその医療への応用を管理する法律を制定すべきである(仮訳)
1992年度 日本政府は、私企業ないし公共団体による日本側の不公正商慣行を除去するためのプログラムを採択すべきである(仮訳)
1993年度 日本政府は、二十歳未満の日本国民の法的責任を拡大すべきである(仮訳)
1994年度前期 日本政府は、国連平和維持軍に参加するために軍隊を派遣すべきである(仮訳)
1994年度後期 日本政府は、日本における全てないしはほとんどのダム建設を中止すべきである(仮訳)
1995年度前期 日本国は、司法制度に陪審制を導入すべきである
1995年度後期 日本はミャンマー・北朝鮮・台湾の一つ以上との外交関係をより緊密にすべきである
1996年度前期 日本政府は、医療行為としての安楽死、あるいは脳死した提供者からの臓器移植を合法化すべきである
1996年度後期 日本国・アメリカ合衆国は日米安全保障条約を終了させるべきである
1997年度前期 日本国は死刑を廃止すべきである
1997年度後期 日本政府は、製造業一般におけるリサイクルされた資材の使用を増加させる政策を行うべきである
1998年度前期 日本政府は、刑事裁判において証拠として認められる範囲を拡大すべきである
1998年度後期 日本政府は、個人に課される直接税の累進性を大幅に緩和すべきである
1999年度前期 日本政府は、北朝鮮に対し、より友好的な外交政策をとるべきである
1999年度後期 日本は、首相公選制度又は国民投票制度の導入により、国民の国政への直接的な参加を可能にすべきである
2000年度前期 日本政府は、エネルギー供給のための原子力施設をすべて廃止すべきである
2000年度後期 日本政府は、全ての遺伝子組換え食品の輸入・製造・販売を禁止すべきである


※ 1995年度以降、JDAは英語論題と日本語論題の両方を推薦しています。





付録2


いろいろな競技ディベートの形式(フォーマット)



1.ESS(英語研究会)系ディベート大会

1チーム2人のディベーターで行う形式をとる。2人のディベーターがそれぞれ一回ずつ立論、質疑、反駁を受け持つ、2立論2反駁形式。JDA(日本ディベート協会)主催ディベート大会でも同様の形式。

肯定側第1立論 8分
質疑(否定→肯定) 4分
否定側第1立論 8分
質疑(肯定→否定) 4分
肯定側第2立論 8分
質疑(否定→肯定) 4分
否定側第2立論 8分
質疑(肯定→否定) 4分
否定側第1反駁 5分
肯定側第1反駁 5分
否定側第2反駁 5分
肯定側第2反駁 5分

加えて、両サイドには10分の準備時間が与えられ、自由に消費できる(将棋における持ち時間のような概念)。

アメリカの大学のディベート大会である、全米ディベート大会(National Debate Tournament, NDT)では、立論各9分、反駁各6分のほかは同様の形式である。



2.「ディベート甲子園」の形式

全国の中学生・高校生によるディベート大会。教育現場でのディベートにとりくむ「全国教室ディベート連盟」による主催。1立論2反駁形式。1チーム4人のディベーター。4人がそれぞれ立論、質疑、第1反駁、第2反駁を担当。

肯定側立論 6分
質疑(否定→肯定) 3分
作戦タイム(否定) 1分
否定側立論 6分
質疑(肯定→否定) 3分
作戦タイム(否定) 1分
否定側第1反駁 4分
作戦タイム(肯定) 2分
肯定側第1反駁 4分
作戦タイム(否定) 2分
否定側第2反駁 4分
作戦タイム(肯定) 2分
肯定側第2反駁   4分



3.リンカーン・ダグラス・スタイル

1人制。名前の由来は、1858年イリノイ州選出連邦上院議員の座をかけたディベート。現職のスティーヴン・ダグラス(民主党)とエイブラハム・リンカーン(共和党)が行った。立論1時間、相手側の反論1時間30分、第一スピーカーの再反論30分の形式で行ったという(このとき選挙そのものではリンカーンが負けた。なお、この形式を「大統領選挙にちなんだ」と紹介しているディベート本があるが、誤り。二人は 1860年の選挙でともに大統領候補になったが、このときはダグラスがリンカーンとの公開ディベートを回避した。大統領に当選したのはもちろんリンカーン)。

肯定側立論 7分
質疑(否定→肯定) 3分
準備時間(否定) 2分
否定側立論 8分
質疑(肯定→否定) 3分
準備時間(肯定) 2分
肯定側第1反駁 4分
準備時間(否定) 2分
否定側反駁 7分
準備時間(肯定) 2分
肯定側第2反駁 4分

反駁の回数が肯定側・否定側で異なるが、立論と反駁を合計したスピーチ時間は両サイド同じである。



4.パーラメンタリー・ディベート形式

こちらはアメリカよりイギリスの大学などで盛んな形式。証拠を直接引用することを求められないこと、相手のスピーチ中にコメントすることがルールで許されているのが特徴。各スピーチの名称はいかにも二大政党体制のイギリスらしい。1チーム2人、この形式では肯定側・否定側ではなく政府側・野党側と呼称。

首相スピーチ(立論) 8分
野党側党首スピーチ(立論) 8分
政府側スピーチ(立論) 8分
野党側スピーチ(立論) 8分
野党党首スピーチ(反駁) 4分
首相スピーチ(反駁) 4分


※ 他にも3人制、5人制などさまざまな形式と時間配分のものがあるが、以上に紹介したものが一般に競技で行われる形式の大半なので、他は割愛したい。