札幌タイムス 2004年12月13日号
中・高・大生、白熱「ディベート」
札幌の団体主催 「夫婦別姓」で論戦 北大が聖心女子学院高下しV
1つの論題の下で議論を闘わせ、その論理性を競う"ディベート"の普及を目指す札幌の団体が12日、ことしで2回目となる競技会「D1−グランプリ」を開いた。中学生から大学生までの8チームが出場し、当日発表された論題「日本は夫婦別姓制度を導入すべきである」の是非をめぐって激しい闘いが続き、午後の決勝戦では北大ディベートクラブの学生らが優勝に輝いた。
市内で活動する「ディベート・アゴラ」(豊平区、岡山洋一代表)の主催。市内の中・高・大生でつくる8チームが参加し、5時間以上にわたって熱戦を展開した。各チームが与えられた論題の是非を「立論」「質疑」「反駁(ばく)」の3つの手段で主張、出場者を含む参加者約40人の投票で勝敗が決まる闘い。私見や感情に関係なく、否定・肯定どちらの側に立っても相手や聴衆を説得する論理性が求められる。
決勝戦では、「別姓」肯定側となった「津田さんと愉快な仲間たちリターンズ」(北大)が、女性の改姓に伴う社会的不利益の発生などを指摘、対する「聖心チョコミント」(聖心女子学院高)に18対9で勝ち、優勝を決めた。
賞状を手にした北大理学部3年の宇野好宣さん(21)は「自分の話し下手を実感した」とスピーチを振り返り、初出場の三澤亜美さん(19)=同経1=は「これほどの規模の試台は初めて。来年もぜひ参加したい」と話していた。
準優勝となった聖心2年の佐藤沙也佳さん(17)と同1年の本間歩さん(16)は「やはり北大は強かった。でも完全燃焼できたので悔いはない」とさわやかに語り、今月ディベートを始めたばかりという同1年・三上沙璃さん(15)は「楽しかった。大学に進んでからもやってみたい」と、論理の勝負に早くもとりつかれている様子だった。(小笠原淳)
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