ディベートはゲーム!

なぜ、ディベートをするのかと問われれば、
多くのディベーターは「楽しいから」と答えるでしょう。
ディベートはエキサイティングで
スリリングなゲームなのです。

議論にはもともとゲーム的な要素があります。
それは、相手側が何をいってくるのかわからない
という不確実性です。ディベーターは、相手の提出してくる
議論を予想して戦略を組み立てますが、
それでも予想外の事態は起きる。
そのとき、どれだけ冷静にクリティカルな
反論をすることができるか――議論が熱くなる瞬間です。

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また、ゲームである以上、ルールが必要です。
ルールなきボクシングがただの殴りあいであるのと同じように、
ディベートにもルールがあります。

たとえば、通常の議論とはちがって、ディベートでは
発言をできる回数やタイミング、一回ごとにしゃべれる
時間が決まっています。その限定された条件のなかで、
ディベーターは可能な限り説得力ある議論を展開し、
ジャッジを納得させなければいけません。

さらに、ゲームである以上かならず勝敗をつけなければ
いけません。ジャッジは公平な立場から、
肯定側と否定側の議論を比較し、より説得力の立場に投票します。

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ジャッジの仕事は投票だけではありません。
判定理由を述べるのはもちろん、
議論全体を振り返ってどの議論が優れていたのか。
あるいは、次の試合(通常、同じ論題について
半年ほどディベートします)ではこうした議論をしてほしい
といったアドバイスをします。

このように、同じ論題について何度もディベートをすることで、
少しづつディベート能力が磨かれていきます。
そうした成長のプロセスもまた、ディベートの醍醐味かもしれません。

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やればわかりますが、ディベートは面白いものなのです。


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