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Episode:2 Ayumu Kaneko

北大ディベートクラブに縁ある方々にご登場いただくEpisode。
2回目の今回は、北大ディベートクラブ創設者のひとりで、
現在、大学講師(非常勤)をされている兼子歩さんにご登場いただきます。

―ずばりディベートの魅力ってなんですか?

まずね、やっていてゲームとしてすごく楽しいというのがありますよね。
端的にいうと、もう勝負の世界というか…やっていてすごく熱くなってきて楽しいと。

これはたぶん、野球とかサッカーとかの競技、あるいは、囲碁とか将棋とかの
対戦ゲームにもあるような興奮とスリルが味わえるというのがありますよね。

それから、やっているうちに良かったと思うのは、まず最初に論理の組み立て方が
よくわかるようになったこと。論文や新聞・雑誌の記事を読んでいても、
論理構造がよくわかり、書き手が何を言いたいのかとか、「おかしいな」と思ったら
すぐ気づくとか、そういうことはありますよね。

論文を書くときにも論理を組み立てるやり方が、ディベートをやることで
より上達したんじゃないかな、ということはありますね。
こういうことがやっていて一番得られたところだと思います。

あと、これは副産物だけど、ある論題が発表されて、勝負に勝つため情報収集をする。
その過程で、いろいろと社会問題について知識を得た、ということはありますね。
それから、現実社会で論争されたりしていることについて、一方の側からしか
見ないのではわかったことにならない、ということを学んだように思います。

―兼子さんの時代ってどんな論題をやっていたんですか

僕が学部生でやっていたときは英語部で、英語でやっていたこともありましたが…。

そうですね…「少年法を改正すべきか、否か」とか
「ダムの建設をもうやめるべきか」とか、そうそれから「自衛隊を海外派遣すべきか」とか。
あと、いま裁判員制度がかなり話題になっているけれど、
当時から「陪審員を導入すべきか、否か」なんてやっていましたね。
そのとき、すごく刑事司法についてよく勉強できたな、
とかそういうことは、結構いっぱいありましたよね。

―研究していく上で、論文を書いたりするのに役立つっていうところ、
 もうすこし具体的にお願いします

ある問題に関して、従来の研究がどのような議論を展開してきたのか
いろいろ読んでいって、どこに欠陥があるのかを見定めなければいかなければいけない。
そういうのを見つけていく能力を磨くために、すごい役に立ったなっていうこと。

それから論文の形にしたり、発表するときにわかりやすいプレゼンテーションで
みんなが聞きやすい説明ができるようになったこともある。

あと、研究会での報告が終わったあとのフロアとの質疑応答で、ある先生に応答が上手いとほめられたこともあります。

そういうことは、自分を売り込むという意味でもよかっただろうと感じます。

―「ディベート=文系」みたいなイメージがあって尻込みしちゃう人もいますが

学問的なことでも、社会で生きていく上でも、文系・理系みたいな区別はないと思う。
基本的に論理を考えていく、そしてそれをぶつけあって考えていくという意味では
文系も理系もないと思うから、理系の人にもすすめたいなぁ、と僕は思うんですけど。

―屁理屈をこねるようになる、詭弁を弄するといったディベートに対する誤解については?

僕の経験ではディベートやった人っていうのは、真面目な場面で、
自分の議論のほうが間違いだなって気づいたら、むしろ素直に耳を傾けることの
ほうが多いと思うんですけどね。
ディベートをしていると、自分と相手の議論をできるだけ客観的に比較する発想を
身につけるから、自分の議論のほうが間違いだと思ったら素直になったり、黙ったりする。
減らず口を叩いて人を困らせるようなことのほうが、むしろできなくなっていくように思います。
あ、冗談の言い合いとかふざけるときに、わざとやるのは、別ですけどね。

―変な議論ほどつっこまれやすいですよね

ディベートではそうですね。また、ディベートの試合では、変な議論を見つけたら、
それがどうして変なのか、きちんと他の人にもわかるように説明できなければいけない。
そういう訓練をつんでいくと、自分が変な議論を組み立ててしまったときに、
自分で見つけて修正したりしやすくなるし、人に指摘されたらすぐ理解できるようにもなる。

―ありがとうございました


兼子歩(かねこ・あゆむ)

北海道大学他(非常勤講師)、NHK文化センター札幌教室講師

北大ディベートクラブ創設者で現在にいたるまで、
北海道最強のディベーターのひとり。
道内の各大学で西洋史学の講師をつとめるかたわら、
全国教室ディベート連盟北海道支部への協力などディベートの普及にも尽力している。